デスマーチ（IT用語）

〈事例: 大規模システム開発プロジェクト〉

あるSIer（システムインテグレーター）企業A社が、大手電子機器メーカーB社からサプライチェーン管理システムの開発案件を受注しました。

このプロジェクトには、システムの開発だけでなく、リリース後の保守フェーズも含まれていました。

〈問題の発生〉

1. リソース不足

A社にはこの大規模プロジェクトを遂行するための十分なエンジニアがいませんでした。

しかし、営業担当者はこの機会を逃すまいと、無理なスケジュールでプロジェクトを受注しました。

2. 不十分な計画

開発部門のプロジェクトマネージャー（PM）は、現実的ではない計画を立て、B社に提出しました。

これにより、プロジェクトはスタートしましたが、計画の甘さが後に大きな問題を引き起こしました。

3. テストフェーズでの崩壊

プロジェクトがテストフェーズに入ると、外部の協力会社から集められたエンジニアたちのスキル不足が露呈し、システムには多くの不具合が発生しました。

特に、B社の他のシステムとの連携がうまくいかず、大幅な手戻りが必要となりました。

〈結果〉

A社は自社の社員を総動員して対応しましたが、時間と人員が圧倒的に不足しており、プロジェクトはデスマーチ化しました。

最終的に納期に間に合わず、保守フェーズの契約も取りやめとなり、多額の赤字を計上する結果となりました。